27/06/2026
出勤した瞬間、上司からひと言。
「鉄分が上がりすぎないように注意して!」
なんでそんなに鉄、鉄って言うんだよ……
何度も言わなくても分かってるって!(笑)
**EP.02**アルミニウム合金における鉄(Fe)のメリット・デメリット・注意点**
溶解炉に鉄が入ると、鉄は少しずつ溶けて、アルミニウム溶湯の中に広がっていきます。
ただし、鉄くずが溶湯の中を浮かんでいて、網ですくえば簡単に取り除ける……というものではありません。
いったん鉄が溶け込んでしまうと、目で見ても違いはほとんど分かりません。
しかし、高倍率の顕微鏡でミクロ組織(Microstructure)を観察すると、鉄を含む金属間化合物が、細長い針のような形で見えることがあります。
実際には学術的にさまざまな形がありますが、私たち工場の人間は、まず「針のような組織」と覚えておけば十分です。
試験を受けるためではなく、現場で役立てるためですからね。
この鉄系組織が、アルミニウム合金の品質に影響します。
鉄が適正な量であれば、製品の強度を高める方向に働きます。
イメージとしては、コンクリートの中に鉄筋を入れて補強するようなものです。
ただし、鉄筋が多ければ多いほど良いわけではありません。
鉄が多すぎると、組織が脆くなり、割れやすくなる可能性があります。
アルミニウム合金も同じです。
適量の鉄であれば、材料をしっかりさせる効果があります。
しかし、鉄が多すぎると、製品にクラックや割れが発生しやすくなります。
特に、高温環境で使用される部品では注意が必要です。
鉄にはメリットもあります。
先ほど説明したように、製品の強度を高める効果があります。
例えば、ADC12を使用するアルミダイカストでは、鉄分を規格範囲内、例えば最大1.3%以下に管理することで、アルミニウムが金型表面に付着する「焼付き」や「型付き」、いわゆるソルダリング(Soldering)を抑える効果があります。
では、鉄をまったく入れなければ良いのでしょうか?
それも違います。
鉄分が低すぎると、特にADC12を使用するダイカストでは、アルミニウム溶湯が金型表面に付着しやすくなります。
鋳造するたびに製品が金型に付着してしまったら、また現場は大騒ぎです。
つまり、アルミニウム合金に鉄は必要です。
大切なのは、適正な量に管理することです。
鉄分の管理は、原材料を購入する段階から始まります。
インゴットメーカーから購入する材料の成分を確認し、さらに自社工場での溶解工程もしっかり管理しなければなりません。
ここで、さらに興味深い問題があります。
インゴットメーカーから届いた材料は品質が良く、鉄分も規格内だった。
それなのに、自社工場で溶解し、鋳造を続けているうちに、なぜか鉄分が上昇してしまう。
これは、なぜでしょうか?
アルミニウム溶湯には、鉄を溶かし込む性質があります。
例えるなら、水に塩が溶けるのと同じです。
水を沸騰させなくても塩は溶けますし、水温が高くなれば、さらに溶けやすくなります。
アルミニウム溶湯に鉄が溶け込む場合も同じです。
アルミニウムを1,000℃以上に加熱しなくても、鉄は少しずつ溶け込んでいきます。
では、その鉄はどこから来るのでしょうか?
自分たちの現場を見渡してみてください。
溶湯に触れ、鉄が溶け込む原因となるものは、意外とたくさんあります。
例えば、
・アルミニウム溶湯をくむ鉄製ラドル
・炉の中に浸漬する温度測定用保護管や熱電対(Thermocouple)
・溶湯に接触する炉のふたや部品
・ドロスをすくう道具
・ドロスをかき出す鉄製工具
・その他、溶湯に接触するさまざまな鉄製器具
これらすべてが、鉄分上昇の原因になる可能性があります。
もう一つ注意したい場所が、炉の底です。
炉底は、しっかり奥まで清掃し、鉄くずや鉄製部品を残さないようにしてください。
鍋を洗うときと同じです。
鍋の底に料理の残りがこびりついたままでは、本当にきれいになったとは言えません。
炉の中も、きれいに清掃し、よく確認する。
ほんの少し注意を増やすだけで、鉄分が規格を超える問題を大きく減らすことができます。
鉄は、アルミニウム合金にとって一見すると厄介な存在に見えるかもしれません。
しかし、本当は必要な元素です。
大切なのは、
**適正な量を入れること。**
**きちんと管理すること。**
**そして、注意深く見守ることです。**
鉄の管理も大切ですが、チームメンバーの心のケアも忘れないでくださいね。
アジャーン NOK San 先生 🤓
⭕️ 私たち KINZOKU PRECISION CO., LTD. は、
アルミ溶解炉の製作・修理・改善を行う ONE STOP SERVICE 企業です。
アルミ溶解工程における品質改善、コスト削減、設備改善まで、
信頼できるパートナーとしてトータルサポートいたします。
🔶 また、現場スタッフ向けの基礎教育、
管理職・経営者向けのコンサルティングも行っております。
◾️商品・サービス・アルミに関するお困りごとのご相談は、下記までお気軽にご連絡ください。
081-701-8365 Mr. Pirom 対応言語:タイ語
065-249-3636 NOK San 日本語対応可能 / English Language Available
#アルミ鋳造品質改善研修 #アルミダイカスト工場環境改善
#ダイカスト生産コスト削減 #ダイカスト品質改善
#知識より大切な現場の姿勢 #チーム能力開発
#アルミダイカスト