14/09/2026
モグラ叩きは端的にいえば、小田原の提灯も持たない、人面豕をした顔の猪豚であり、この軽薄類は、薮落しの土壺に嵌るのである。
目の離せない、難事は次から次へと迷惑な人面豕が巻き起こすのである。
朝早くから夜遅くまで、吾が師の世話をするのであるが、既に朝起きた時から、「今日一日」が戦場となる
猿騙しの仕掛けにかかる「バカ申」でも、土壺のような危険地帯の薮落しには落ちない。
「もしですよ、もしも土壺に嵌ったらどうしますか」と、権之助は高利がしのことを聞いた
高利貸しといえば誰でも困窮した顔になる。
今風でいえば、困窮した顔は、8時20分の「にわかせんべい」のお面を被った赤面だった。
「この計算ちゃんとして、算盤を弾き、算盤勘定が合わない場合は、責任取ってくださいね」
「なんと御無体な……」
毎日奮闘して道に励んでも、孤軍奮闘では、苦境を乗りきる敢闘が出来るだろうか。
権之助のもう一人が居れば、奮闘などせずに、毎日だらだらと、欲望のままに生きて行ければいいが、なにしろ楓は時として、
小姑のようないい方になり、老耄でも怠ければ「米食う犬は罰則を受けず、貧しく糠食う犬が袋叩きにされる」のである。
だいたい御屋形様から預かった百両とは、どういう種類のものであろうか。
百両を元手に、百両で十一(トイチ)となれば、10日で一割だから十両という利息がつき、これは高利がしのやり方で、この金利だと、將に土壺に堕ちることになる。
あたかも花札では一〇点札を一枚と課し、札ばかりの手役であり、あまりにも超奇抜である。
楓は簡単明瞭に説明した。
「將に悪霊商売ですねぇ、十一霊は」
「これを召喚したのは権之助さま、あなたですよ」
「つまり拙者がドジを踏んだからですね」
「そもそも天下無敵の高札を立てて、悪霊を召喚したからです」
「なるほどぉ、それが不味かったですねぇ」といいながら顔は硬直し赤面した。
今風でいえば、困窮した顔は、やはり8時20分の「にわかせんべい」のお面を被った赤面だった。
#十一霊
論 者: 曽川和翁─────────挿入曲 : 『五輪の魂』&『臥竜』作 曲: 曽川和翁音楽編曲: 佐孝康夫ピアノ演奏:...