04/06/2026
【スポーツで「良い感覚」を掴んだとき、忘れないために何をするべきか?】
良い感覚を忘れないために最も重要なのは「感覚そのもの」を覚えようとすることではなく、その感覚を生み出した動作を繰り返し再現することです。
運動学習研究では、感覚は記憶の対象というよりも、運動プログラムの結果として生じる主観的体験と考えられています。
そのため、「あの感覚を覚えておこう」よりも「何をしたらその結果になったか」を記録し再現する方が、長期保持が向上します。
① 良い感覚が出た直後に反復する
運動学習では、成功した1回よりも成功した後の数回が重要です。
脳は成功した運動パターンを繰り返すことで神経回路を強化します。
良い感覚が出たら、「今日は終わり」ではなく、同じ動きを数回再現することが推奨されます。
これは運動学習の保持研究で一貫して示されています。
03/06/2026
2016年のメモが出てきたので見返していたら、謎の文章がたくさん出てきました。
どうやら当時は「親指が重要」ということに気づいていたらしいです。
今振り返ると、確かにその頃はバレルを中指で上から抑え、親指側で押し返すようにして投げていました。
そう考えると、当時の感覚や考え方は間違っていなかったのだと思います。
昔は、私は練習中や練習後によくメモを取ります。
なぜなら、苦労して掴んだ感覚ほど、次の日には意外と忘れてしまうからです。
もともと私は、ダーツの才能が高いタイプではありませんでした。
だからこそ、自分が感じたことや上手くいったことを忘れないように、ノートへできるだけ細かく、具体的に書き残していました。
感覚は曖昧ですが、言葉にすると残ります。
昔のメモを見返すと、その時の自分が何を考え、何に悩み、何を掴もうとしていたのかがよく分かります。
上達とは、才能だけで決まるものではありません。
掴んだ感覚を記録し、忘れずに積み重ねていくこと。
それもまた、成長するための大切な技術なのかもしれません。
03/06/2026
【スポーツにおける「悪い癖」はなぜ抜けないのか?】 Part3
⑤ 成功体験が癖を強化する
人間の学習は、報酬によって強化されます。
例えば、フォームは悪くても偶然良い結果が出た場合、脳は「この動作で成功した」と学習します。
すると、その運動パターンが強化されます。
これは運動学習と強化学習の研究で広く支持されています。
⑥条件次第で変化する見解
初心者と上級者で違う
・初心者
癖は比較的修正しやすい
神経回路の固定化が浅い
練習量が少ない
・上級者
癖は修正しにくい
数万〜数十万回の反復
強い自動化
試合経験との結び付き
・練習量による違い
同じ癖でも、数週間の癖・数年の癖では修正難易度が異なります。
反復回数が増えるほど、運動パターンの安定性は高くなります。
⑦現在比較的一致している修正方法
悪い癖を消そうとするより、新しい運動を作る
現在の運動学習研究では、「悪い癖を消す」という考え方より「新しい運動パターンを構築するという考え方が主流です。
なぜなら、古い運動記憶を完全消去できることは確認されていないからです。
02/06/2026
【スポーツにおける「悪い癖」はなぜ抜けないのか?】 Part②
③ 古い運動記憶は消えるのではなく残る
運動学習研究では、新しい運動を学んだからといって古い運動記憶が完全に消えることは確認されていません。
むしろ、新しい運動記憶が追加され、古い記憶の上書きではなく競合が起きると考えられています。
そのため、練習中は修正できても、試合やプレッシャー下では昔の癖に戻ることがあります。
④ ストレス下で元の癖が出やすい
競技中は、
緊張
疲労
時間制限
プレッシャー
が発生します。
この状況では脳は、「最も慣れている運動プログラム」を優先的に使用します。
そのため、修正途中のフォームよりも長年使った癖が出やすくなります。
31/05/2026
【スポーツにおける「悪い癖」はなぜ抜けないのか?】
スポーツで一度身についた「悪い癖」が抜けにくい最大の理由は、その動作が脳内で自動化されているためです。
これは精神論ではなく、運動学習の基本原理として広く支持されています。
・まず「癖」とは何か?
運動学習の分野では、「何度も繰り返された結果、意識しなくても実行される運動パターン」として説明されます。
たとえば、野球の投球フォーム・ゴルフスイング・ダーツのリリース・テニスのサーブなどは、反復によって自動化されます。
脳は毎回ゼロから運動を計算しているわけではなく、過去に成功した運動パターンを再利用します。
神経科学モデルでの説明
① 脳は「省エネ化」を行う
脳は大量のエネルギーを消費します。
そのため、何度も行う動作は自動化し、意識的制御を減らそうとします。
この現象を運動の自動化と呼びます。
自動化された動作は、速い・考えなくてもできる・注意資源を消費しにくいという利点があります。
一方で、修正しにくくなるという特徴もあります。
② 悪い癖も脳にとっては「学習成果」
脳は、「良いフォーム」と「悪いフォーム」を区別して保存しているわけではありません。
脳が重視しているのは、結果として目的を達成できたかです。
例えば、本来は非効率なフォームでも、ボールが飛んだ・的に当たった店舗試合で成功したのであれば、脳はその運動パターンを強化します。
そのため、悪い癖とは「脳にとっては成功経験を伴った学習結果」です。
31/05/2026
本日、DPL大阪で開催された原嶋講師の特別レッスンにご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
おかげさまで満席での開催となり、皆さまの熱意ある姿勢や積極的な取り組みに、私たちも多くの刺激をいただきました。
今回の学びや気づきを、ぜひ今後の練習や競技生活に活かしていただければ幸いです。
なお、次回の開催は3ヶ月後を予定しております。
詳細が決まり次第、改めてご案内いたしますので、今回ご参加いただいた方も、残念ながらご都合が合わなかった方も、ぜひ楽しみにお待ちください。
本日は誠にありがとうございました。
30/05/2026
【力みと脱力】
受講生の方で最初から力んで投げている人が多いです。
しかし実際には、「力みたくて力んでいる」のではなく、“力まないと飛ばせない状態”になっていることが多い。
人間の身体は、
・飛ばない
・届かない
・失敗しそう
・不安定
と感じると、無意識に筋肉を緊張させて出力を補おうとします。
つまり力みは、単なる悪い癖ではなく、「飛ばすための代償動作」として起きている場合があります。
その状態で、
「力を抜きましょう」
「脱力しましょう」
と言われても、身体側からすると、 “力を抜いたら飛ばせない”という状態なので、簡単には抜けません。
だから重要なのは、先に“脱力”を意識することではなく、
「無理に力まなくても飛ばせる投げ方」
「身体に負担なく力が伝わる飛ばし方」
を知ることです。
・ダーツに特化した力の伝え方を知る
・連動で飛ばせる
・無駄な加速をしなくても届く
こうした感覚が身についてくると、身体は“防御としての緊張”を減らしていきます。
つまり、力んでいるから脱力するのではなく、“ちゃんと飛ばせるから脱力できる”。
脱力は「頑張って抜くもの」ではなく、身体が「もう力まなくても大丈夫」と判断した結果として起こるものです。
30/05/2026
明日はDPL創設者・原嶋講師による特別レッスンが、DPL大阪にて開催されます。
ありがたいことに、全枠満席となりました。
ご予約いただいた皆さま、ありがとうございます。
当日は混雑が予想されるため、店舗へのご入室はレッスン開始の10分前からとさせていただきます。
円滑な運営のため、ご理解とご協力をお願いいたします。
ご参加される皆さま、明日はどうぞよろしくお願いいたします。
30/05/2026
【スポーツ練習における「量」と「質」】 Part②
「質」が重要になる理由
脳は、“成功した運動パターン”だけでなく、
“頻繁に行った運動パターン”も学習します。
つまり、間違ったフォームを大量反復すると、その誤差パターン自体が強化されます。
運動学習理論
特に重要なのが、内在的フィードバック・自分の感覚・外在的フィードバック・映像・コーチ・計測機器です。
これらが不十分だと、誤差修正効率が低下します。
③ エリートほど「質」の比重が上がる(B)
初心者は、改善余地が大きいため、ある程度は量でも伸びます。
しかし上級者では、
誤差が極小
動作差がミリ単位
タイミング差が数ms
の世界になります。
そのため、
疲労管理
高精度フィードバック
課題設定
回復戦略
の重要性が大きくなります。
29/05/2026
【スポーツ練習における「量」と「質」】
スポーツ科学では現在、「量だけでも、質だけでも不十分であり、目的に応じた“適切な量 × 適切な質”が必要」という考え方が比較的一致したコンセンサスです。
ただし、初心者・中級者・エリート・技術系競技・持久系競技・パワー系競技で最適解は変化します。
・まず「量」と「質」とは何か
練習量(Volume)
主に、
練習時間
反復回数
総運動量
総投球数
総走行距離
総セット数
などを指します。
練習の質(Quality)
主に、
集中度
フィードバックの正確性
動作精度
課題設定の適切さ
疲労管理
意図的練習(deliberate practice)
エラー修正能力
などを指します。
① 初期段階では「量」が非常に重要
初心者〜中級者では、反復量が少なすぎると神経系の学習自体が進みにくいことが広く支持されています。
主な理由(神経科学モデル)
人間の運動学習では、
感覚入力
運動出力
誤差修正
を大量に繰り返すことで、脳と神経系が運動パターンを最適化します。
つまり、「数をこなさないと、脳が学習材料を得られない」ということです。
・運動学習モデル
運動学習では、
誤差検出
誤差修正
再試行
の反復が必要です。
そのため一定量以下では、そもそも学習が成立しにくいことが示されています。
② しかし「量だけ」では頭打ちになる
単純反復だけでは、
悪い癖の固定
自動化された誤動作
疲労による精度低下
が起こります。
特に技術系競技で重要
例えば、
ダーツ
ゴルフ
野球投球
テニスサーブ
などでは、
「ただ回数を投げる」だけでは、上達効率が低下しやすいことが知られています。